相続した空き家を売却したい!3000万円控除の要件や注意点を解説

PR

2025-05-18

相続した空き家を売却したい!3000万円控除の要件や注意点を解説

相続によって取得した空き家を売却する際、「空き家特例」を活用することで、譲渡所得から最大3,000万円の控除を受けられる制度があります。
上手に使えば大幅な節税が可能ですが、適用には厳密な条件と期限があり、うっかり見落とすと控除が受けられないリスクも

また、制度は近年改正が続いており、令和9年までの延長や要件の緩和など、最新情報を正しく把握することも重要です。

この記事では、「空き家特例」の基礎知識から具体的な適用要件、注意点、よくある誤解まで、相続空き家の売却を検討する方が知っておくべきポイントを実務目線で整理してご紹介します。

家の解体工事にかかる費用がいくらなのか?不安はありませんか?
特にどこの業者に頼むと良いのか心配がつきません。

そんな時は、Webで6社の見積比較ができる「解体ガイド」を利用するのがおすすめです。

専門スタッフが複数業者の特徴を分かりやすく解説してくれます。

複数の業者で費用を比較するから細かな相場が把握

\厳選された全国TOP1.3%の業者のみ紹介/

完全無料解体ガイドに相談してみる

目次

最初に知っておきたい!相続空き家を売る前の基礎知識

空き家を相続した直後は、何をどう進めればよいのか迷う方が多くいます。
相続した建物をどう扱うかによって、税金や維持費、手続きの内容が大きく変わってきます。
この章では、相続空き家の代表的な選択肢や、売却を検討すべきタイミング、売却時にかかる税金の基本について整理します。

相続空き家の3つの選択肢とは?

空き家を相続した場合、すぐに居住しないのであれば、どのように活用するかを早めに判断する必要があります。
主な選択肢は「売却する「賃貸に出す」「そのまま保有する」の3つで、それぞれに特有のメリットと注意点があります。

売却する

空き家の売却は、もっとも多く選ばれている現実的な選択肢の一つです。
使用予定がなく、維持や管理に手間がかかる場合には、早期に売却することで経済的・心理的な負担を軽減できます。

メリットデメリット
管理や修繕の手間をなくせる売却益に譲渡所得税などの税金がかかる
固定資産税などの維持コストが不要になる立地や築年数によっては売却価格が伸びにくいことがある
売却益を他の用途に活用できる古家付き土地の場合は解体費用がかかる場合がある
老朽化による倒壊や近隣トラブルのリスクを回避できる

売却は、将来的に使用しないことが明らかな場合や、遠方に住んでいて管理が難しい場合に特に適しています。
節税の観点からも、特例制度が利用できるうちに売却を検討することが重要です。

賃貸に出す

相続した空き家を賃貸物件として活用する方法もあります。
継続的に家賃収入が見込める点が魅力ですが、空き家の状態や立地によってはリスクや初期投資も伴います。

メリットデメリット
家賃収入を得ることで資産を活用できる入居者が見つからないリスクがある
将来的に自分や家族が使用する選択肢を残せる原状回復やリフォーム費用が発生する場合がある
保有しつつ固定資産税の一部を相殺できる入居者対応やトラブル処理など、管理の手間がかかる
不動産経営として節税効果を得られる可能性がある建物の状態によっては住宅としての価値が低く、賃貸に向かないことも

特に、立地が良好で築年数が浅い物件であれば、賃貸としてのニーズも高くなります。
一方で、老朽化が進んでいる場合には、賃貸用として活用するための初期投資や修繕費が重荷になることもあるため、事前の収支シミュレーションが不可欠です。

保有する

空き家をそのまま保有しておくという選択は、思い出のある家を手放したくない場合や、将来的な活用を検討している場合に選ばれることがあります。
ただし、活用の予定がないまま保有し続けると、管理や費用の面で負担が増す可能性があります。

メリットデメリット
将来的に自分や家族が住む・使う可能性を残せる定期的な管理・メンテナンスが必要
売却や賃貸の判断を急がずに済む固定資産税や都市計画税などの維持費がかかり続ける
感情的・思い出的な価値を残すことができる使用予定がない場合は空き家としてのリスク(老朽化・特定空き家指定)も大きい
土地価格の上昇を期待できる可能性がある長期保有で税負担・劣化リスクが蓄積する

保有を選ぶ場合でも、定期的な通風・点検・清掃などの管理を怠ると、資産価値の低下や行政指導の対象になることがあります。
長期的に見て活用予定がない場合は、売却や賃貸も含めた柔軟な判断が必要です。

売却を検討すべきタイミング

空き家を売却するかどうかの判断は、早ければ早いほど選択肢が広がります。
特に以下のような状況に該当する場合は、売却を本格的に検討すべきタイミングです。

  • 維持・管理が困難になっているとき
    遠方に住んでいたり、高齢などの理由で管理が難しい場合、空き家の放置は近隣への迷惑や安全上のリスクにつながる恐れがあります。
  • 老朽化が進んでいるとき
    築年数が古くなるほど建物の資産価値は下がり、買い手がつきにくくなります。特に昭和56年5月31日以前の建物は、耐震基準を満たしていないケースが多く、早期売却が有利です。
  • 固定資産税などの費用負担が重いと感じるとき
    使用していない空き家にも税金は発生します。特定空き家に指定されれば、軽減措置が解除され、税負担がさらに増える可能性もあります。
  • 空き家特例の適用期限が迫っているとき
    ,000万円特別控除が受けられる「空き家特例」には期限があります。相続から3年を経過する年の12月31日までに売却しなければ、特例が使えなくなってしまいます。

売却は「いつかやればいい」ではなく、条件が整っている今こそが最適なタイミングである可能性が高いといえます。

売却時にかかる税金の種類

相続した空き家を売却すると、売却益に応じて譲渡所得税が課されます。
この税金は「所得税」「住民税」「復興特別所得税」の3種類で構成されており、譲渡所得(=利益)に対して課税される点がポイントです。

【譲渡所得の計算式】
譲渡所得 = 売却価格 -(取得費 + 譲渡費用)

税目税率(長期譲渡)備考
所得税15%所得区分に応じて税率が異なる
住民税5%一律税率
復興特別所得税所得税額の2.1%所得税に上乗せされる付加税

※ 長期譲渡とは、所有期間が5年を超える不動産の売却を指します(相続の場合、被相続人の所有期間を通算可能)。

ただし、取得費が不明な場合、税務上「売却価格の5%」しか取得費として認められないため、大きな税負担が発生することもあります。
その際に活用できるのが、次章で解説する「空き家特例(3,000万円特別控除)」です。

空き家特例とは?相続空き家の譲渡所得に使える制度

相続した空き家を売却する場合、一定の条件を満たせば譲渡所得から最大3,000万円を控除できる「空き家特例」が適用される可能性があります。

この制度を活用することで、税負担を大幅に軽減できることから、空き家の売却を検討する際には必ず押さえておくべき重要なポイントです。

ここでは、空き家特例の基本的な仕組みや目的、対象となる物件の条件についてわかりやすく解説します。

空き家特例の基本概要

空き家特例とは、正式には「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」と呼ばれる制度です。
この特例を利用すると、相続した空き家やその敷地を売却した際に発生する譲渡所得から最高3,000万円までを控除することができます。

この制度のポイントは次のとおりです。

項目内容
対象財産被相続人が住んでいた空き家とその敷地
控除額最大3,000万円の譲渡所得控除
適用タイミング相続から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却
所得の種類譲渡所得に対する控除(他の所得には適用されない)
税申告の必要性控除を受けるためには確定申告が必要

この控除は、売却益が出た場合でも一定の条件を満たすことで非課税になる可能性がある非常に大きな優遇措置です。
ただし、制度の適用を受けるためには細かな要件をクリアする必要があり、早い段階での情報収集と準備が求められます。

制度導入の背景と目的

空き家特例は、社会問題化している空き家の増加を抑制する目的で導入された制度です。
少子高齢化や人口減少により、相続された住宅が使われないまま放置されるケースが増え、老朽化や景観悪化、倒壊リスクといった地域課題が深刻化していました。

国土交通省によると、全国の空き家は年々増加傾向にあり、適切に管理されない住宅が近隣住民に与える悪影響も指摘されています。
こうした背景から、相続した空き家を速やかに市場に流通させ、既存住宅の有効活用と地域環境の改善を促すためにこの制度が創設されました。

また、この特例は単なる税優遇にとどまらず、「住まなくなった家を放置せずに手放す」という選択を後押しする制度設計となっています。

被相続人の居住用財産に該当する条件とは

空き家特例の対象となるためには、売却する物件が「被相続人の居住用財産」である必要があります。
これは単に相続された不動産であればよいというわけではなく、一定の要件を満たす住宅および敷地であることが求められます。

以下が主な条件です。

要件内容
最終居住が被相続人本人であること被相続人が死亡時点までその住宅に単独で居住していたことが必要です。
同居していた親族がいないこと同居人がいた場合は特例の対象外となります(家を継続使用する可能性があるとみなされるため)。
相続後に第三者へ貸していないこと相続してから売却するまでに他人に貸した場合、居住用財産と見なされなくなります。
昭和56年5月31日以前に建築された住宅現行の耐震基準導入以前に建てられた建物である必要があります(ただし一部例外あり)。
区分所有建物でないことマンションなどの区分所有建物は対象外です。対象は一戸建ての住宅に限られます。

これらの条件を満たしていなければ、たとえ相続した空き家でも空き家特例は適用できません。
そのため、事前に住民票の履歴や建物の構造、同居人の有無などを正確に確認しておく必要があります。

空き家特例の適用要件|満たすべき条件とは?

空き家特例を利用するには、対象となる建物や相続状況、売却の時期などについて、複数の条件を満たす必要があります。
制度の適用可否を左右するこれらの要件を事前に確認しておかないと、本来得られるはずの3,000万円控除を受けられない可能性があります。
この章では、建物や相続に関する条件、売却の時期・価格に関する条件、さらに適用除外となる主なケースについて整理します。

建物や相続に関する主な条件

空き家特例の適用には、まず対象となる建物と相続の状況に関して一定の条件を満たしていることが前提となります。
具体的には、次のような要件が挙げられます。

要件内容
昭和56年5月31日以前に建築現行の耐震基準が導入される前の建物が対象。ただし、耐震改修済みの物件であれば新基準も可。
一戸建ての住宅であることマンションやアパートなどの区分所有建物は対象外。
相続により取得された建物である贈与などによる取得では適用されない。
被相続人が死亡時まで居住していた亡くなる直前まで被相続人がその建物に住んでいた実績が必要。
建物が相続時点で使用されていない相続後、他人に貸していたり居住していた場合は対象外となる。

これらの条件を一つでも満たしていない場合空き家特例の適用はできません。
とくに築年数や建物の種類、相続の経緯などは、登記簿や住民票などで確認できるため、早めにチェックしておくことが大切です。

売却に関する主な条件

空き家特例を適用するには、建物の状態だけでなく、売却のタイミングや売却額など、譲渡に関する条件も満たしている必要があります。
特に「いつ売るか」「いくらで売るか」といった要素は、制度の適用可否を大きく左右します。

要件内容
相続から3年を経過する年の12月31日までに売却相続が発生した年の3年後の年末までに売却契約を完了していること。
売却価格が1億円以下であること売却金額が1億円を超える場合は適用対象外となる。
現況のまま売却する or 解体して土地を売却する耐震性が不足している場合は建物を解体して更地で売却することも可。
相続開始後に事業や貸付に使っていないこと相続後に事業用・賃貸用に転用された場合は対象外。

これらの条件は、売却の計画時点で確認・調整できる部分も多く、早めに不動産会社や税理士と相談しながら進めることで、特例の適用を確実にすることができます。

適用除外となるケース

空き家特例には明確な「適用除外条件」が定められており、どれか一つでも該当すると特例を受けることはできません。
形式的には要件を満たしていても、次のようなケースに該当する場合は注意が必要です。

除外となる主なケース内容
同居親族がいた場合被相続人が死亡時に同居していた親族がいた場合は、特例の対象外。
生前に建物の贈与を受けていた場合相続ではなく贈与で取得した建物は制度の対象外。
建物が事業用・店舗・賃貸用に使われていた場合相続後に賃貸や店舗として使用した建物は、居住用と見なされず適用外。
区分所有建物(マンション等)の場合一戸建てでない建物は特例の対象外。
相続後に他人に貸していた場合一時的にでも第三者に貸していた場合、居住用ではないと判断される。

これらの条件に該当するかどうかは、住民票の履歴や賃貸契約書の有無、建物の用途などで確認されます。
不明点がある場合は、必ず税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

制度改正で令和9年まで延長!要件緩和のポイント

空き家特例は、制度創設以降も社会情勢やニーズに応じて見直しが行われており、令和9年(2027年)まで適用期間が延長されることが決定しています。
あわせて、一部の要件が緩和されるなど、より使いやすくなった点も注目すべきポイントです。
この章では、延長された内容と、新たに認められた緩和措置について詳しく解説します。

制度の延長内容

空き家特例は、当初の期限が令和5年(2023年)までとされていましたが、制度改正により令和9年(2027年)12月31日まで延長されることが正式に決定しました。
これにより、より多くの相続人が制度を利用できるようになり、空き家の早期売却を促進する体制が継続されます。

延長に伴う主なポイントは次のとおりです。

項目内容
新たな適用期限令和9年(2027年)12月31日まで
売却期限の定義相続開始から3年を経過する年の12月31日までに売却
制度の根拠法改正租税特別措置法の一部改正により実現
従来要件の維持建物・相続・譲渡の各要件は基本的に維持

この延長によって、相続から売却までの猶予期間が確保され、時間をかけて売却や税務手続きを進められる環境が整えられています。
ただし、延長されたからといって油断せず、制度の終了時期を見越して早めの準備を進めることが重要です。

新たに認められるようになった緩和措置

制度の延長と同時に、空き家特例の適用要件についても一部が緩和され、これまで対象外だったケースでも制度が利用できるようになりました。
特に「相続人が複数いる場合」や「共有持分での売却」が認められるようになったことは、大きな変更点です。

緩和された要件変更内容
複数相続人による取得相続人が複数いても、要件を満たせば持分割合に応じて特例が適用可能に
一部耐震性の緩和耐震改修を行った場合、建築年に関係なく対象となる(市町村の確認書要)
除却後に共有地を売却したケース取り壊し後の土地の共有持分についても、記録保存などの条件を満たせば特例適用可

これにより、家族で共有している相続財産についても、条件次第で課税対象を減らす選択肢が広がったことになります。
ただし、持分ごとの適用や、確認書の取得手続きなど、より複雑な条件が求められるケースもあるため、事前に税理士等の専門家と連携して判断することが重要です。

空き家特例を受けるための必要書類一覧

空き家特例を利用するには、確定申告の際に複数の書類を揃えて提出する必要があります。
これらの書類は、自治体・法務局・税務署など、取得先が異なるため、事前に準備期間を確保しておくことが非常に重要です。
この章では、自治体などの公的機関で取得すべき書類と、売却や解体に関連する書類に分けて、わかりやすく整理します。

自治体等で取得する主な書類

空き家特例の適用を受けるためには、自治体や役所などで発行される公的書類を揃える必要があります。
これらの書類は、被相続人の居住実態や建物の状態、相続関係を証明するために不可欠です。

書類名内容・目的
被相続人居住用家屋等確認書空き家特例の対象であることを市区町村が証明する書類。制度利用には必須。
住民票除票被相続人が死亡時までその家に住んでいたことを証明する書類。
除却証明書(必要に応じて)解体済みの場合に必要。建物の除却日や工事業者による証明が必要。
相続関係説明図または戸籍謄本類相続人であることを証明するための書類。法定相続情報一覧図があれば代用可能。

これらの書類は、発行に時間がかかるものもあるため、売却を決めた段階で早めに取得を進めることが望ましいです。
また、書類の発行先や必要書式が自治体によって異なる場合があるため、事前に市区町村の窓口で確認しておくと安心です。

売却や解体に関連する書類

空き家特例の申請においては、売却や解体に関する事実を証明する書類も必要です。
これらの書類は、譲渡所得の計算や「売却の事実」がいつ・どのように行われたかを明確にするために求められます。

書類名内容・目的
売買契約書売却金額や売却日、買主との契約内容を記載。譲渡所得計算の根拠資料。
譲渡費用の領収書・明細書仲介手数料、測量費、登記費用など。譲渡所得の必要経費として計上するために必要。
除却証明書(解体した場合)建物を取り壊して土地のみ売却したケースで必要。工事業者から取得。
解体前の写真・記録建物の現況がわかる写真や資料。空き家であったことを示す補足資料として有効。

これらの書類は確定申告時に添付または提示が求められるため、売却手続きの段階で必ず保管・整理しておくことが大切です。
とくに、解体を伴う売却では、除却証明書と解体前の写真が重要な判断材料となるため、廃棄や紛失に注意しましょう。

空き家特例の手続きの流れ

空き家特例を活用するためには、売却前の準備から確定申告までの一連の流れを正確に把握し、漏れなく対応することが重要です。
特に、事前調査や必要書類の収集には時間がかかるため、計画的に進めることが成功のカギになります。
この章では、売却前の準備段階から申告に至るまでの具体的な流れを、ステップごとにわかりやすく解説します。

売却前の準備ステップ

空き家特例を活用するためには、売却の前段階で必要な調査や書類準備をしっかり整えておくことが不可欠です。
準備が不十分なまま売却を進めてしまうと、特例の適用が受けられなくなるリスクがあります。

主な準備内容は以下のとおりです。

準備項目内容
建物の現況確認築年数や耐震性、使用状況の確認。対象条件に合致するかをチェック。
相続関係の整理相続登記の完了、相続人間の合意形成。共有名義の場合は持分の確認が必要。
必要書類の収集居住用家屋等確認書、住民票除票、戸籍など。取得先の自治体で事前に確認する。
解体の有無とスケジュール解体する場合は業者への依頼・時期の決定・除却証明書の取得準備が必要。
不動産会社への相談売却の相場確認、媒介契約の検討。売却活動と申告準備を並行して進める。

特例を確実に活用するには、「対象条件を満たしているか」と「申告に必要な資料が整うか」の2点を早い段階でクリアすることが重要です。
準備に余裕を持たせることで、トラブルや申告漏れを防ぐことができます。

売却契約と譲渡の実行

準備が整ったら、実際に空き家の売却を進めます。
この段階では「媒介契約の締結」「売買契約」「所有権移転」の流れを正しく踏むことが重要です。
また、譲渡に関する書類や証拠を確実に保管しておくことで、後の確定申告がスムーズになります。

ステップ内容
不動産会社に仲介依頼媒介契約(一般・専任)を結び、販売活動をスタート。信頼できる業者選びが鍵。
売買契約の締結売却条件(価格・引渡日等)を明記した契約書を作成し、買主と正式に契約。
代金の受け取り契約に基づき買主から代金を受領。領収証や振込明細の保管を忘れずに。
所有権移転登記登記手続きを行い、正式に名義変更。登記完了書類は確定申告時に必要になる。
解体がある場合の対応建物を除却してから売却する場合は、写真・除却証明書の取得を忘れずに実施。

契約時に交わした資料や領収書は、すべて確定申告に必要となる可能性があるため、必ずファイル等で管理しましょう。

確定申告による特例申請

空き家特例を実際に受けるには、譲渡の翌年に確定申告を行い、必要書類を添えて申請することが必須です。
納税額がゼロになる場合でも、申告しなければ特例は適用されません。

申告に必要な主な内容は以下の通りです。

必須事項内容・ポイント
申告の期限譲渡があった年の翌年2月16日~3月15日の間に提出
申告書の提出先空き家の所在地を管轄する税務署
提出書類被相続人居住用家屋等確認書、売買契約書、除却証明書、住民票除票など
特例適用欄の記入所得税の申告書「譲渡所得の内訳書」に特例の内容を記載
控除額の反映譲渡所得から最大3,000万円を控除し、税額を軽減

添付書類の不備や申告漏れがあると、特例が適用されないだけでなく、追徴課税のリスクが発生する可能性もあります。
不安な場合は、税理士に書類の確認や申告書作成を依頼すると安心です。

空き家特例を使うときの注意点

空き家特例は非常に有利な制度ですが、適用には細かいルールや制限があり、誤解や思い込みで進めてしまうと適用が受けられないケースもあります。
ここでは、特に注意しておきたい代表的な3つの落とし穴について取り上げ、制度を確実に活用するためのポイントを解説します。

h3 確定申告は必須(納税額ゼロでも)

空き家特例は、譲渡所得が3,000万円以下であっても、自動的に適用されるわけではありません。
たとえ納税額がゼロになるケースでも、確定申告を行わなければ特例は一切適用されないため、申告は必須です。

特に注意したいのは、次のようなケースです。

ケース解説
売却益が3,000万円を下回る税金は発生しなくても、申告をしなければ特例は使えず、非課税扱いにならない。
他の所得と損益通算できると誤解譲渡所得と給与所得などの通算は不可。特例申請には別途書類と手続きが必要。
書類の提出を忘れていた書類の不備・不足があると特例が適用されず、後から追徴課税を受けることもある。

空き家を売却した年の翌年2月16日~3月15日の間に、必要書類をそろえて確定申告を行うことが、特例適用の大前提です。
不安がある場合は、事前に税務署や税理士に相談し、確実な申告を心がけましょう。

贈与で取得した物件は対象外

空き家特例の適用対象となるのは、あくまで「相続または遺贈」により取得した物件に限られます。
そのため、生前贈与で取得した不動産は、どれだけ条件が揃っていても特例の対象外となります。

以下のようなケースでは特に注意が必要です。

ケース解説
親が生前に自宅を贈与していた相続ではなく贈与扱いのため、空き家特例は適用不可。
相続前に名義変更だけ済ませていた相続開始前の名義変更は贈与とみなされ、対象外となる可能性が高い。
生前贈与と誤認されるケース実際は相続でも、手続きのタイミングによって贈与とみなされることがある。

生前贈与の方が節税になると考える方もいますが、空き家特例を活用したい場合は、安易な名義変更や贈与手続きは避けるべきです。
制度利用を前提とする場合には、事前に税理士と確認しながら進めることが重要です。

事業用・店舗物件は対象外

空き家特例が適用されるのは、被相続人が実際に居住していた“居住用の住宅”に限られます。
そのため、相続した建物が事業用や店舗として使われていた場合、特例の対象にはなりません。

注意したい代表的なケースは以下のとおりです。

ケース解説
被相続人が店舗併用住宅に住んでいた店舗部分の比率が高い場合は居住用と認められず、特例の対象外となる可能性がある。
倉庫・事務所として使用していた建物住宅として使われていなければ対象外。居住実態がないと判断される。
相続後に事業用へ転用した相続時に居住用であっても、売却前に用途変更すると対象外となることがある。

空き家特例では「居住用であること」が大前提となっているため、事業用物件は一切認められません。
相続した建物が住宅かどうか曖昧な場合は、固定資産税の課税明細書や建物登記簿などで用途区分を確認し、必要であれば専門家に判断を仰ぎましょう。

空き家特例と併用できる税制優遇制度

空き家特例を活用することで譲渡所得の大幅な控除が可能ですが、一定の条件を満たせば、ほかの税制優遇制度と併用することもできます。
併用できる制度を正しく理解すれば、さらに税負担を軽減できる可能性があります。
この章では、空き家特例とあわせて活用が検討できる代表的な制度について解説します。

取得費加算の特例

取得費加算の特例

空き家特例と併用できる代表的な優遇措置の一つが、「取得費加算の特例」です。
この制度は、相続税の一部を不動産の取得費に加算できる仕組みで、結果として譲渡所得税を軽減できる可能性があります。

以下の表は、制度の概要と要点を整理したものです。(租税特別措置法第39条

項目内容
対象となる売却時期相続開始の翌日から3年10か月以内に売却した場合
加算できる費用の範囲相続税額のうち、不動産取得に対応する部分(按分計算)
効果取得費が増えるため、譲渡所得が圧縮され、所得税・住民税が軽減される
空き家特例との関係両制度は併用可能。ただし、取得費加算で控除しきれない利益に空き家特例が適用される仕組み

注意点としては、取得費加算の特例は「申告期限内に相続税の申告を行っていること」が前提条件です。
また、加算できる額の算出には専門的な計算が必要なため、税理士への相談が推奨されます。

小規模宅地等の特例との関係

小規模宅地等の特例とは、相続税の計算において、一定の条件を満たす土地の評価額を最大80%まで減額できる制度です。
空き家特例とは適用対象もタイミングも異なるため、併用の可否については十分な理解が必要です。

以下の比較で両者の違いを整理します。

比較項目空き家特例小規模宅地等の特例
適用対象譲渡所得にかかる所得税・住民税相続税
減額対象最大3,000万円の譲渡所得控除土地評価額の最大80%減額(330㎡まで)
適用のタイミング売却時(相続後の譲渡)相続時(申告期限内に適用)
併用の可否条件を満たせば併用可能併用自体は可能。ただし使用状況や手続きタイミングに注意が必要

注意点として、小規模宅地等の特例を適用して相続税を軽減した場合、その土地をすぐに売却すると「特例の要件を満たさなかった」として課税対象になることがあります。
たとえば、相続後すぐに売却せず、一定期間その土地を自宅として使用することが必要なケースもあります。

制度の併用を検討する際は、両制度の適用条件を精査し、専門家のアドバイスを受けながら進めることが最も確実です。

よくある質問

空き家特例を検討・申請する際には、制度の複雑さから多くの疑問や誤解が生じがちです。
ここでは、よく寄せられる質問とその回答をQ&A形式でまとめました。
読者の不安や疑問を解消し、制度への理解をより深めることを目的としています。

Q1:老人ホームに入居していた親の家でも対象?

はい、一定の条件を満たしていれば、被相続人が老人ホームに入居していた場合でも空き家特例の適用を受けることができます。

ただし、以下のような要件をすべて満たす必要があります。

条件内容
要介護認定または要支援認定を受けていたこと被相続人が老人ホーム入居時に要介護・要支援の認定を受けていることが必要です。
自宅を他の用途に使用していないこと自宅が空き家として保持され、賃貸や事業用として利用されていないこと。
相続開始時点で建物が現存していたこと解体済みではなく、相続発生時に建物が残っていた必要があります。

老人ホーム入居によって居住実態が一時的に失われていても、制度上の「居住用財産」としての扱いが認められる条件が整えば、特例の適用が可能です。
制度上グレーゾーンになりやすいため、書類の整備と専門家への事前相談が重要です。

Q2:相続人が複数いる場合の控除額は?

はい、空き家特例は相続人が複数いる場合でも適用可能ですが、控除額は共有持分に応じて分割されます。

以下が主なルールです。

相続人の人数控除額の上限
単独相続最大3,000万円の譲渡所得控除が適用される
2人以上の共有相続原則として各人に2,000万円を上限に控除が適用(合計最大4,000万円)
3人以上での共有相続各人あたり最大2,000万円。ただし全体で3,000万円超とならないよう按分

※上記は2024年度改正後の取り扱いに基づきます。

このように、相続人が複数いる場合は単純に「3,000万円ずつ控除できる」というわけではないため、持分割合や控除上限の確認が必要です。
共有名義での売却にあたっては、全員が特例の条件を満たしていることが前提となります。

Q3:取り壊し後の土地売却でも使える?

はい、被相続人の居住用家屋を取り壊して土地のみを売却する場合でも、空き家特例は適用可能です。
ただし、建物があったことを証明できる書類や記録が必要となります。

以下の条件をすべて満たしていることが求められます。

条件解説
相続後に建物を除却していること相続時点で家屋が存在し、その後に取り壊した事実があることが必要です。
除却証明書を取得していること解体業者などからの正式な証明書が必要です。契約書や工事完了報告書でも可。
解体前の写真や記録が残っていること解体前の状態を示す写真や、固定資産税の課税明細書などの証拠が有効です。
更地として売却していること取り壊し後、他の建物を建てる前に売却している場合に限られます。

ポイントは、「確かに空き家が存在していた」ことを後から証明できるかどうかです。
書類の紛失や写真の未保存によって特例が使えなくなるケースもあるため、解体時には記録をしっかり残しておくことが極めて重要です。

まとめ|空き家特例を活用して、相続空き家を賢く売却しよう

空き家特例を使うと、売ったときの税金を大きく減らせます。最大で3,000万円の控除が受けられる制度ですが、条件を守らなければ使えません。

主な条件は3つです。

  • 被相続人が住んでいた家:相続直前まで住んでいたこと
  • 築年数や耐震:築50年以内、または耐震検査に合格していること
  • 売却期限:相続の翌年3月15日から3年以内に売ること

これらをチェックするために、まず国税庁サイトで細かいルールを確認しましょう。

そして要件を満たすか判断するときは、税理士や司法書士に相談するのがおすすめです。特に、耐震証明の取得や土地・建物の評価額を正しく出してもらうのは専門家の仕事。早めに連絡して、売却のスケジュールを一緒に組んでもらうと安心です。

空き家売却に関するお役立ち情報

記事の目次